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交流の広場

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「元気を与えてくれるヒト」 第3回
ご町内のヒーローを探し出す?山野千枝さん
(小堺正記さん)

大阪へ出張する時、新大阪駅の地下鉄の乗り換え口で必ず手に取る情報紙があります。「大阪が熱くなるビジネス情報紙・ビープラッツプレス」。町工場やベンチャー企業の社長を紹介するインタビューや「あきないナンでも相談所」、「売って儲ける社長道場」など、いかにも大阪という感じの情報が満載。それも無料です。


発行元は、かつての問屋街の一角にある大阪産業創造館。大阪市の中小企業支援施設です。編集部を訪ねると、身長170センチを越えようかというカッコイイ女性が私を出迎えてくれました。それが編集長の山野千枝さんです。


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「一生懸命な人を見ると、すぐに惚れちゃうんです。『この社長さんを何とか応援して、ご町内のヒーローにしよう!』っていう意気込みで作っています。」と熱く語る山野さん。とにかく超ポジティブな前向きな姿勢。

山野さんと取材で知り合ってから、かれこれ4年が経ちます。今でも時々情報交換をするのですが、彼女と話をすると、なぜか不思議と元気になるんです。お役所にありがちな広報マンとは全く違います。それもそのはず。実は、この施設を運営するスタッフ50人のほとんどが民間企業出身者。ここにミソがあります。

■ 私たちの手で中小企業を元気にする

大阪産業創造館が設立されたのは、今から4年前。当時の磯村市長は、行政主導の中小企業支援には限界があると考え、運営を民間人に任せる方針を打ち出しました。

その頃山野さんは、あるコンサルティング会社に勤めていましたが、産業創造館の求人募集を見て迷うことなく応募しました。

「以前、独立してスローフードの食材を扱う店をやりたかったんです。そこで、大阪市のベンチャー支援窓口を訪ねました。でも対応した中小企業診断士の方は、ヨボヨボのおじいちゃん。資金の相談をしたら、あちこちの部署をたらい回しにされた挙げ句、結局何もしてくれませんでした。『これがお役所仕事なんだ』って思ったんです。だから、お役所仕事を変えられるなら、是非この目で確かめてみたいという、まあ『怖いモノ見たさ』のノリで来ちゃったんですよ」

■ お役所の壁の壊し方

こうして産業創造館の立ち上げに参加した山野さん。しかし、「お役所仕事」との戦いは、想像を遙かに越えたものでした。

山野さんがまず取り組んだテーマは、産業創造館の存在をどうやって広く知らせるかということでした。山野さんは、とかく無味乾燥になりがちな行政の広報紙を「オモロイ」読み物にして、人目につきやすい地下鉄の駅に置いたらどうかと考えました。

「大阪の町工場の社長さんたちは、お上のことをアテにしていません。でも、同業者の活躍はとても気にしています。だから、私たちが色々な町工場を記事にすれば、彼らは産業創造館に注目してくれるはずだと見込んだんです。」

しかし、待ったが掛かりました。相手は、中小企業支援を管轄する経済政策課。理由は、「企業の情報を編集して広く提供するのは、平等の観点から見て行政の発行物としては馴染まない。」つまり、電話帳のように全企業が平等に取り上げられているなら問題はないが、ある企業にスポットを当てた場合、他の企業から不平等だとクレームが来たら、対応に困るというのです。普通の感覚では信じられませんが、これがお役所というものなのでしょう。

山野さんは負けませんでした。毎日朝8時に担当者を訪ね、「オモロイ」情報紙の必要性を訴え続けました。そして1週間後、そのしつこさに根を上げた担当者氏、ついに「まず半年間試しに置いてみよう」と許してくれたのです。

実験の結果は明らかでした。「ビープラッツ」は、陳列してわずか1週間で、ほとんど品切れになりました。そして、記事を読んだ人が、産業創造館を続々と訪ねてきました。この出来事をきっかけに市役所側は、民間人スタッフに仕事を任せてくれるようになったのです。

■ やらないで文句をいうのはアカン

今では、大企業のOBが中小企業に新しい取引先を探し出す事業や、ベンチャーを志す人が、並みいる大手企業の社長たちを前にプレゼンして資金協力を訴える発表会など、様々な企画が実現、成果を上げています。

山野さんは言います。
「何事も、やれば変えられるんだなあ。やらないで文句言うのは禁止やなあって思いました。」

お役所仕事だって、知恵と熱意があれば変わるはず。皆さんの職場にも色々な「お役所仕事」がありますよね。愚痴を言う前にまずは行動してみましょう。そして、もし大阪に行く機会があれば、地下鉄の駅に置いてある「ビープラッツプレス」を手に取ってみてください。何せタダなんですから。

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