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「元気を与えてくれるヒト」 第6回
頑張れ!徳ちゃん?徳田悠一さん
(小堺正記さん)

最近出会った若者で、絶対に忘れられない人がいます。

彼の名は、徳田悠一。三重県南勢町という、紀伊半島の小さな町に住む25歳の青年です。トイレ用品メーカーの特約店で営業マンとして働いています。

彼の何が素晴らしいのか?写真をご覧下さい。屈託のない笑顔にイガグリ頭、今どき珍しい真っ赤な頬っぺた。見ているだけで心が和みませんか?


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もちろん、人柄も外見通りで、明るくて誠実そのもの。話しているだけで、不思議と元気が沸いてくるんです。

徳田さんとの出会いは2年前の春。私が当時担当していた「難問解決!ご近所の底力」がスタートした時です。

「おはようございます!」という元気な声で振り向いた私の前に立っていたのは、おそらく紳士服の安売り店で買い揃えたであろう、地味なグレーのスーツに身を固め、2つのショルダーバッグをたすき掛けにした青年。あたかも地方から就職活動のために上京した高校生のような風采の彼が、徳田さんでした。

実は徳田さんは、名古屋の大学を卒業して、芸能プロダクションのゴールデンミュージックに入社。初仕事が、「ご近所の底力」のレギュラー出演者・松居直美さんのマネージャーだったのです。

誰がどう見ても、華やかな芸能界には全く向いていないとしか思えない風采の徳田さん。なぜ、芸能プロダクションに就職したのでしょうか?

「高校時代、ボクの友達が学年中の人気者だったんです。そうすると女子生徒から『今、カレ、彼女いるのかな?知っている?』と聞かれたり、彼から『女の子から、一緒にお茶して欲しいと頼まれたけど、2人きりで会うのはイヤだから、同席してよ』と言われたりして、自然と彼のマネージャーのようなことをしていたんですね。それで、芸能人のマネージャーもこんな風に色々な役得があるのかなって、思っちゃったんですね。」

しかし、ここは紀伊半島の田舎町。そんな夢のために東京に行くこと両親が許してくれるはずがありません。そこで、徳田さんは一計を案じます。

「『マネージャーの仕事をやりたいから、東京の大学に行かせてくれ』って頼んだんですよ。そうしたら、『マネージャーってホテルとかのか?』って聞いてきたんです。よくわかっていないんだなと思ったけど、まあいいかって思って、間髪入れず『ウン』と答えました。」

こうして、手に入れた夢の仕事。

「海千山千がうようよいる芸能界で、徳田さんのような純朴な青年がうまくやっていけるのだろうか」という、私の不安は見事に裏切られました。

マネージャーという仕事は、タフでなければ務まりません。「ご近所の底力」の場合、スタジオ出演に加えて、週1回ロケがあり、その多くを地方で行うので、タレントさんにとっては比較的負担の多い番組です。

少しでも効率的に所属タレントに仕事をさせたい事務所、色々な無理難題を出して何とか番組を良くしたいと考えるテレビ局。 そして、できるだけ良い環境でベストの仕事がしたいタレント本人。この3者の意見を聞きつつ、スケジュール管理をしていくのです。当然、毎回調整は難航します。ところが、徳田さんに「本当にスミマセン、申し訳ありません」と謝られると、こちらの希望が通らなくても、「まあいいか」って思えてしまう。もし、それを演技していたとすれば、徳田クンもかなりの役者なのですが、たとえそうであっても誰も彼を恨まない。そのくらい番組のディレクター陣から、愛されていました。いつのまにか、「徳ちゃん」と呼ばれるようになっていました。

「毎日が本当に楽しかったです」と、徳田さんは当時を振り返ります。

「だって、毎日違うことばかり。今日、北海道でロケがあるかと思えば、明日は大阪。それも、番組が違う、ディレクターが違う、すべてが違うので新鮮でした。もちろん、調整するのは大変だったし、ほとんど休めなかったけど、全然苦になりませんでした。」

しかし、そんな楽しい日々はあっけなく終わりを告げました。去年、おじいちゃんが体調を崩し、その介護のため、徳田さんは故郷に戻らなければならなくなったのです。

番組のスタッフで、ささやかな送別会を開きました。徳ちゃんは、いつもと変わらぬさわやかな笑顔で去っていきました。

たかがテレビ。されどテレビ。たくさんの素敵な若者たちが、夢を追っています。

徳ちゃん、戻っておいで!

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